-True EPILOGUE--True EPILOGUE- 12月24日 町外れの教会では、2人だけの結婚式が行なわれていた。 「もう2度と怪盗チェリーをできないとしてもな。雪絵、ずっと一緒にいような。」 「・・・涼。」 雪絵は、涼に抱きつく。 「だからな、雪絵。これが怪盗チェリーのラストマジックだ!」 そう言って、涼は指を鳴らす。 すると・・・ たくさんの白い花が舞い降りてくる。 「うわぁ、スノードロップ(ユキノハナ)!!」 「雪絵の一番好きな花だろ。」 「うん。」 「幸せになろうね。私たち。」 「決まってるだろ。」 ・・・そして2人は、スノードロップの花吹雪の中で、キスをして永遠の愛を誓い合うのであった。 「あれ、何かある。」 教会を出た雪絵は、入り口に何かが置かれているのを見つける。 周りを見ても誰もいなかったが、誰が置いたのか薔薇の花束が置いてあった。 中にはカードが入ってあり、こう書かれていた。 ―おめでとう、おふたりさん。 Mary・Rose 「涼、これ! 神尾さんから。」 雪絵は、薔薇の花束を抱え、涼にカードを見せる。 「・・・ったく、あいつ。」 涼は、そうつぶやくとカードを2枚用意する。 涼は「そっちも幸せにな。」とカードに書いて、もう一枚のカードを雪絵に渡す。 雪絵はそのカードに「次は、神尾さん達だね。」と書いて、涼の書いたカードと一緒に、自分の持っているのブーケの中に入れて、教会の入り口に置いた。 神尾が見たら、「余計なお世話よ。」と言うだろう・・・なんて涼は、雪絵に言いながら。 ・・・そして2人は、昔からよく行っていた、風の吹く丘へと走りだした。 「まったく、余計なお世話よ。」 2人の置いていったブーケを見て、微笑む神尾真理。 「ま、くれるなら、もらってあげてもいいけどね。」 そう言って、真理はブーケを手にして歩いていく。 ・・・そして半年後、真理は、俳優の柏木朝斗の結婚することになるのであった。 時は流れ、桜が満開の4月。 「神尾さんたちは、ジューンブライドだね。」 6月22日に行われる真理の結婚式の案内状を見ながら、雪絵が言う。 「そうだな。・・・なんかもう1通ある。」 なんだろ?? -涼、元気にやっている? もちろん私は元気にやっているわよ。 体に気をつけて、幸せにね。 十文字 桜 「姉さんからだ。」 涼は、喜ぶ。 ・・・たったこれだけの文章の上、差出人の欄には「十文字 桜」と書かれているだけで、住所等は書いていなかったが、それでも涼は、十分に嬉しかったのだった。 -そして、未来へと・・・ Fin. ジャンル別一覧
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